メリークリスマス
ピッピ

分かるかい分かるかい分かるかい
君を構築するカラフルな遺伝子だ
今、ウラシル、人差し指と中指の境目をすり抜けて
世界へと落ちていく
ほら、受精したね
一生懸命、一生懸命、一生懸命生きようとしているよ
なんで???

喧噪けたたましく
ハートビート、潤う血管内壁、16分音符、それよりも少し早いアンダンテで、走る、走るんだ、
分かるかい?
何度も聞くよ
君の名前には国家の借金ほどの意味もない
だから気安く呼ぶんだ分かるかい
ムーアの法則によって朽ちていく生命の樹
そして突然途切れる旋律、いなくなる指揮者、外れていくメロディー、
涸れていくパーカッションの鼓動
どうして必死に生きているの
どうして私の前を走り去っていくの
青い風の残像しか見えないまま
月がくるくると周り
地球のまわりくるくる
太陽のまわり
そして自らも
くるくるくると
、、、
君の名前を忘れたよ
どうしてそんなに走り去っていくんだ
ずっと前から
好きだったのに

乱暴な人間だね
そうして世界が黙りこくってしまう
メトロノームのようにはいかない
ロックスターが喉をダメにしている頃
君の脳味噌はまだ動いている!!!!!
ここにお墓を建てよう
いつまでも生きていられるように
自転なんかに息を切らしてしまわないように
ほら、風だ見えるかい?
君が走り去った跡だ
愛おしい体温を持って


自由詩 メリークリスマス Copyright ピッピ 2012-11-12 19:17:57
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