ふうすけ
あおば

             121112



輪切りにされた風景
などくとどくがが
買ったばかりの風景に溶け込んでは
ふうすけと鳴る
ふうさくになり損ねる
ふりんとうのうこんの色は
目を焼き焦がし
半透明な褐色を塗りたくる
うるしにかぶれた孤児たちを
叩きのめしてうっちゃる男達の痩せた背中に落ちかかるなどく
どくがふうの昆虫の鱗粉がふうすけと飛び回り
ふりんとうのぐるりを取り囲んでいるから
囲繞される食欲不振のテリトリーを俯瞰しては
心地よい風を通す鬱金の色に見とれている

あなたはなどくと言い張るのね
だからわたしはふうすけと言い返すのよ




自由詩 ふうすけ Copyright あおば 2012-11-12 08:51:17
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