let it go
rabbitfighter



もうすぐ明かりが消えようとしている
後に残されるのは、冷たい輪郭、電灯の

もうすぐ明かりが消えようとしている
後に残されるのは、凍える肌、我々の

もうすぐ明かりが消えようとしている
小さな、温かい

そして何も見えなくなる
それとも、見たくなくなる

同じ景色を、同じ顔ぶれを、同じ日々を
彩っていたのは、明かり、あなただった

何一つ変わるもののない中で
世界がその色彩を失ってしまう

世界、と、俺は言う
憚られずに、まるで痴れ者のように

だけどお前たちは言うな
その世界に、一つの王国を打ち建てるまでは

もうすぐ明かりが消えようとしている
俺の王国は色彩を失うだろう

もうすぐ明かりが消えようとしている
夜が明けようとする、正にこの時に

もうすぐ温もりが去ろうとしている
放射冷却の、晴れた夜に

もうすぐ明かりが
もうすぐ温もりが

それから
良くも悪くもある、世界が


自由詩 let it go Copyright rabbitfighter 2012-10-28 06:30:58
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