カテゴリ違いの方向
カテゴリイって言うとまた別の状況
を、起点として加速するタービンとコイル
原子力発電所が叫ぶマイナス感情
太陽に向かって届けこの放射能
観測史上最大が日々更新されていく現代のディザスター
韓国史上最高が日々更新されていくヒュンダイのベストセラー
広告募集の広告が立ち並ぶ環状６号線を
非常警戒中の警告灯が等しいリズムで煌々と燃やし
その中を加速してゆくエアーポリューションマシーンたちが絶え間なく
螺旋状に上昇しながら天空を目指しクラクションを鳴らすけど
生きている人間たちはその光景を見ることが出来ない
太陽に向かって届けこの高性能
原子力電池搭載の孤独な放浪者
アメリカ陰謀説の主犯格と目される秘密結社が
地平線を薄く金色に染めて
太陽がまた新しい一日の始まりを告げる
古めかしくも新しい一日を
繰り返される新しい一日を
君の上腕のツベルクリン反応
君の手首の傷
君の病的な深夜徘徊衝動
君の無垢な眼差しとケツの穴
飛び出すタイミングを間違えた血液の花
リズム
刻むから前進するのではなく
前進するから刻まれるリズム
俺はもう原発論争にはうんざりなんだ
ただ愛のために発電と送電をしたいんだ
そこは出口であって入り口じゃない
だからアナルセックスは健全な性行為とはいえない
でも愛のために俺は発電と送電を繰り返したい
これら全ては粒子を加速するための巨大な環状線でしかない
言語を光の速度に限りなく近づけるための螺旋運動でしかない
青い光を放ち
濃縮されたウランが溶けて熱くなる
だけどそれも太陽の光ほどまばゆくはない
それからその光を見ることが君には出来ない
そして君の窓のない部屋の中では
受精から誕生までの間に駆け足で辿る進化の過程を
故意にまたはアクシデンタルに止められた胎児たちの標本が
順番も適当なまま陳列されていて
君自身が
それら胎児たちが指し示す未来の姿を象徴し
それら胎児たちの標本をうっとりとした眼差しで見つめる時
君の部屋の隣の隣ぐらいで原子力電池内臓の鉄腕アトムは
行き場所のない核廃棄物たちの夢を見るだろうか