Enya-煙夜
Neutral

今日はずいぶん細くなったなぁ
月を見て自分の心細さと重ね合わせ
ちょっとした安心をおぼえた
僕は月夜にタバコをふかし
後ろへ放り投げて歩き出した

誰かの声が聞こえた気がした
後ろで何かが燃えている気がした
でも僕は振り向かない
僕は過去に火をつけて歩く



世界をちっぽけな煙でぼやかそうと必死な人達へ

どうか、謝ってあげて下さい
昔喧嘩したまま会う事が無くなった人の事を
まだ生きているならこれから生きる中で
もう居ない人ならせめてあの世では
すなおに許してあげて下さい

愛が欲しいって言ってもね
簡単に振り向けば本当の優しさじゃないんだよ
距離を置くことがそばにいる愛しさを教えてくれるんだよ

命、夢、希望
どこから来てどこへ行く
大切なかけがえのないものだけど
気を抜けば
夜にふかしたタバコの煙のようにあっけなく消えてしまうよ

月は満ち欠けを繰り返してるように見せかけて
心の満ち欠けを繰り返す不安定な人間に
偽りの安心を与えている


自由詩 Enya-煙夜 Copyright Neutral 2012-07-13 13:16:57
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