2012/6/26
鎖骨




みんなこの瞬間を最期に死んでしまえばいいと思った
すごく楽しかった夏祭りの帰り
澄んだ青空には死神が棲んでること
わたしだけが知ってた
からん、からんと木造りの下駄は笑い続ける



お金は彼岸への片道切符
現世は辛いし黄泉路へ逃げよ
けんけんぱ けん けん ぱ
トンネル小路を唄って駆けよ
可愛いあの子を攫って逃げよ



今までで一番重い愛のかたち
計り比べは出来ないけれど
眩しいあの日へ遡って帰ろう
君を食べたら叶う気がするんだ




ああ
死にたくてみんな今日を生きてる
死ぬためにみんな明日を迎える




紙よりも瓦斯よりも油よりも貴重な限りある資源
健康な精神所謂正気ってやつがそうなんだ
青柳のようなきみにはまだ分からないかもしれないけれど
大人になってもまともでいるってことはまともになせる業じゃないんだよ




言葉という体裁は最早意味を為さない
また書き上げられなかった絵と楽譜
誰とも繋がらなくていい現実を手に入れるために
弦が空気を震わせる音だけが明日への渡し石






自由詩 2012/6/26 Copyright 鎖骨 2012-06-26 00:38:08
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