生きてることには文句を言え
ホロウ・シカエルボク





生きてることには文句を言え、こんなところに突き出しやがってと、天に向かって唾を吐け、どうせ俺たちゃ日蔭のシダさ、明るい朝日は拝めやしねぇ、荒んだ日々のウサ晴らせ、そら、神さんこちら、金撒いて寄越せ


生きてることには文句を言え、愛だ希望だ強い気持ちだ、青っちょろいこと並べたとこで、花が育つにゃ陽と水空気、寝言で腹は膨れやしねぇ、小銭叩いてパンでも食えば、余計鳴る鳴るすきっ腹

生きてることには文句を言え、頭を下げたわけでもないのにこんな世界に投げ込みやがって、街を歩けば魑魅魍魎が、刃物翳すわ尻は触るわ、油断も隙もありゃしねぇ、財布の中には金もねぇ、コンビニエンスで安いおかずを、眺めて買わないときもある


生きてることには文句を言え、生きてることには文句を言え、あれが欲しいと駄々こねろ、どうせ相手はてめえの胸さ、手足バタバタジダンダ踏んで、無理を通して道理引っ込め、俺が俺がで突き進め、どうせ廻りは邪魔者ばかり、猪突猛進薙ぎ倒せ


生きてることには文句を言え、厄介者が正直者さ、決して妥協はしないのさ、好きに生きるは背負うこと、舌をべらべら動かす前に、てめえで動いて見せてやれ、生きてることには文句を言え、まだだまだだぜまだ足りないぜ、おあずけ喰らった肉食獣だ、牙を剥いたら最後だぜ


生きてることには文句を言え、あとは野となれ山となれ、風の吹くまま気の向くままさ、命は好きにはできゃしねぇ、好きに生きるは背負い込むことさ!




自由詩 生きてることには文句を言え Copyright ホロウ・シカエルボク 2012-06-25 12:22:29
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