お伽話
HAL

Mr.Don Henlyは《THE END OF INNOCENCE》の楽曲で
『ぼくらはお伽話に毒され続けて来た』と歌ったけれど

でもいまぼくらは自分のこども達に
語ったやれるお伽話はあるんだろうか

幼いときに母に読んで貰った
お伽話は大人になっていく途中で

ぼくらはそれは嘘の話だと知る
誰もがそれに気づいてしまう

でもこんな醜い世界に在って
お伽話を読んでやれないことの方が

ぼくはより世界を暗黒に導く
神と悪魔の罠だと想っている

大人になって悪夢の様な日々を送っていても
ふとお伽話を信じる方が幸福じゃないかと

でも大人になって読んだグリム童話は残酷だったけど
アンデルセンは本当のお伽話を残してくれた

みにくいアヒルの子だってマッチ売りの少女だって
ぼくらの国の桃太郎だって花咲爺だって一寸法師だって

こどもに聞かせても好い話だと想うぼくは
もう過去の遺物と呼ばれるんだろうか

でもハッピー・エンドを信じられなくなったら
この世界を変えていく力も信じられなくなるんじゃないだろうか

中島みゆきクンも『おとぎばなしはみんなずるい
どこにも日付を書いていない』と歌ったけれど

いまの彼女は果たしてそう歌うだろうか
昔きっと彼女はお伽話に裏切り続けられたんだろうけれど

いま彼女が歌っている楽曲すべてが世界を変える愛を
信じて欲しいと願ういつか本当になるお伽話じゃないんだろうか






※作者より
《THE END OF INNOCENCE》は、同タイトルのアルバムを例の如く海外盤を手に入れ、ぼくが聴き取りぼくが訳しました。もしかして意訳になっているかも知れませんが、誤訳ではないはずです。その程度には《EAGLES》時代から彼が音楽で何を訴えたいかは知ってるつもりです。ただ彼には詫びを入れておくべきことがあります。それは再結成前の《EAGLES》時代にMr.Glenn Freyよりも彼を低く評価していたことです。【THE END OF INNOCENCE】は、解散後から再結成の間にソロとして残したアルバムの中でも秀逸な1枚とぼくは高い評価を下しているアルバムです。


自由詩 お伽話 Copyright HAL 2012-04-17 00:43:21
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