むてきの音影
石川和広

わたしに
大切なものが
ひろがって
あまりにも
ひろがって
霧みたいに素敵に
人々がとおくなる

わたしは
あなたをおもうほど
麻酔していく

打たれるのだ
構内放送に
笑い声に
すべてに
塵に
まかれながら

あなたを抱き締めたいからみついていく
ここで
街で
宇宙から
おりてくる毎日だから
だけど
あなたの壊れた声
つつむには
そう聞こえるわたしの
耳がくるってる
微音冴え、それ
沈黙のそら耳

あなたの胸に
夢闇に尋ねたいよ
でも、ね


自由詩 むてきの音影 Copyright 石川和広 2004-11-30 23:49:02
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