それはもっとも根本的な問題なんだ
ただのみきや

たとえば
あなたが
一つの詩を書こうと思い
想像力は創造力と変わり
詩作の情熱があなたを捉え
刀鍛冶が真っ赤に熱した鉄を打つかのように
ひと文字
ひと文字
キーを打ち
一つの詩
一つの宇宙
一つのどこにでもありそうでいて
神秘的な
事実から生まれたことでありながら
もはや全く新しい
その詩の中から
読む者の魂に流れ込み
それぞれの心の中に詩的事実を生み出して行く
そんな作品をここに創造したとして

その作品が
執筆者である
というよりも
創造者である
あなたという存在を

拒み
否定し

おのれの
ひと文字
ひと文字は
何かの偶然で
文字箱がひっくりかえり
たまたま
こぼれ落ちた結果であり
誰の意思も
誰の願いも
誰の情熱も
誰の思索も
詩作もなく
無意味に存在しているのだと
主張するならあなたはそれを受け入れるだろうか

それともそれを拒み
「あなたは わたしの心から生まれたものだ」と
言い諭すだろうか

あなたなら
どうするだろうか





自由詩 それはもっとも根本的な問題なんだ Copyright ただのみきや 2012-01-26 21:52:53
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