苺大福
アラガイs


ー虹の輪も消えて
ただただ夢みるように「播摩」
自分だけは被災しないと願うばかり
仮にあたたかなお節料理もいらない
刻がたてば、人々のやさしさは哀しすぎるから
…と、こわばった頬で控えめに大福を口にする
「もうすぐ夕陽が沈むよ」
影を映しだす思い出の残照だろう
放たれた人々のやさしさに言葉はいらない
素直に甘えることができたなら
なんて、 思うばかりで
涙を見せないのは単に勇気がないだけだ
(想像してごらん
…)と、あのひとは言った
白いふっくらな笑顔
(いまは何を口ずさめばいいの?)
「明日、甘いRyu‐zが昇るよ」
それは、きっとやわらかな陽射しだろう 。









自由詩 苺大福 Copyright アラガイs 2011-12-31 07:46:53
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