迷宮の風景
梅昆布茶

団地センター街のアーケードのタバコの自販機でひと箱360¥のWESTmentholを買ったくもりがちの空の広がる朝

商店街のゴミ箱には日曜日の夜の匂いが染み付いている

コイケヤのチップスの袋や週刊フライデーなどがべろりと舌のように垂れ下がっていたりするのだが

なんだか今日はきのう小百合ねえが言ってたみんなおかしいしそういう人たちの集まりなんだよ私たちはね

という言葉が頭のなかでぐるぐる巡りをしている


迷宮の朝が好きだ

ジェフベックみたいなcoolなギターで味わうと良い

薄めのコーヒーで喉を潤したら安いウイスキーの酔いもすこしは醒めるだろう


夏絵嬢は家族と娘の彼氏と楽しい食事会

僕はといえばbikeのエンジンが焼き付いてピストン交換するはめに
駆けつけてくれたぼくのメカニックのジェロは

colaを飲んでいるぼくの隣でみずをがぶがぶ飲みながら昭和の焼きそばを食ってるし
PAZZのマスターは250ccの中古のヤマハのscooterを見せてくれた
多分これに乗り換えるかもしれないまあ値段次第だが


とりあえずジェロの車で家に戻り自分のラパンで出勤やあ遅れてごめんなさい
いつものようにスーパーの品揃えをする

ダイエー ベイシア ベルク 

でも日曜日は地方発送がないので幾分楽なのだが

社員のコバさんやバイトの人たちとばか言い合いながら仕事は進む

社長から着信遅くなるので郡山水産に持ってく荷物用意しといてね
ところで4tのbattery上がっちゃってるけどなんかした?

いや部長がbumperひん曲げちゃって修理に出すって動かしたはずですよ

そんなやりとりをする


24歳の娘からもうめーるしないでというmailがくる
やれやれ忘年会のcompanion一人LOSTですなあ

小百合ねえはsnackのバイトだしあとは夏絵嬢頼みだが酔って泣き出したり裸踊りしなきゃいいけど

23日は鶴ヶ島のつる姫のところへ(´∇`)<Merry☆Christmasのケーキとchicken持ってくよていだったけど夏絵嬢が23日なら空いてるというのでそのひに忘年会変更
みんなにめーるしなきゃあ


ブッダの初期経典の選集ともいえるらしいスッタニパータ 蛇の章に

怒りの毒を蛇の毒に比喩した記述があるが夏絵嬢の精神の解毒剤にぼくはいつかなれるのだろうか

それともつる姫と共稼ぎで3人のむすめを育て上げて逝くのだろうか

もういちど宮台真司の中学生からの愛の授業を読もうかあるいは

上田紀行のかけがえのない人間か生きる意味でもよみかえしたものか



部屋の隅にロジャースで買ったキングウイスキーが半分残っているのでそれを飲みながら

今晩考えてみようと思う


自由詩 迷宮の風景 Copyright 梅昆布茶 2011-12-19 08:15:51
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