懐かしき恋人の歌
梅昆布茶
ふと目に止まった街角の後ろ姿に
雪が降り積もってゆくように君の横顔がかさなる
自分を愛せない僕はずいぶん君を困らせたものだ
喪うことを怖れてばかりの心を隠せなかったし
ずいぶん無理も言ったね
怒涛のように日々は過ぎ僕はずいぶん遠くまで
流れてしまった
もういいよって君が言った日をおぼえているかい
僕はありがとうとしかいえなかった
あの日も木枯らしが吹いていたし
君のタータンチェックのマフラーが暖かそうだった
僕は今でもときどき口ずさむのですよ
君に教わったメロディーを
切ないラブバラードの一節を空に向かって
ひょっとして君に届くかもしれないと思いながら
君が楽しい夢の続きをずっとみられるように
祈りながら
自由詩
懐かしき恋人の歌
Copyright
梅昆布茶
2011-11-27 11:12:06