への字も
アラガイs


わたしの胸のなかにはいつも音楽が眠っていて
ときどき鼻くそに丸めてはオブラートに包んでほじくり出してもいるんだ 。
泣いても叫んでも、できない算盤で直角に叩かれ過ぎたから
毛筆は真っ直ぐにもひけない
「あたまはノー足りん」
息は、まず吸い込んでから吐き出すもの
不器用な指先が下へ下へと汗をかいた我慢汁、だから
きっと性格だって歪んでいるはず
「口をとがらせては結ぶ」でも、そんなわたしにもときどき聞こえてくるんだ 。
山の斜面から滑り落ちてきては海へと広がってゆく
あの晴れた日の、あたまに描く文字の、旋律に響きあうまっすぐな声が 。









自由詩 への字も Copyright アラガイs 2011-11-24 06:25:22
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