【 愛でし國 】
泡沫恋歌

わたしの生まれた国には
四季があります


春 桜舞う
人優しく笑い
肩にかかった 花びらはらりと払う
門出の時 別れの時
感極まって 涙する人よ


夏 蝉時雨
突然の夕立に
驚いて 逃げ込む廂
洗われた街には 虹が架かる
よしずに涼風 ゆれる風鈴


秋 十六夜
静かな夜更けは
虫たちの音色に 耳を澄まして
今は遠き 友の安否を想う
すすきの穂を照らす 上弦の月


冬 木枯らし 
冷たい早朝に 厨房に立ち
母が家族の朝餉を拵える  
お早うの挨拶と 温かなお椀
忘れないよ お母さんの深い愛


日本人は心に触れて
その想いを知る民族なんだ
あなたと出会えた
わたしの美しい国だから


人を愛し 国を愛す
この国に生れて良かった
日の出ずる國 わたしの日本




自由詩 【 愛でし國 】 Copyright 泡沫恋歌 2011-09-29 22:16:27
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