半年目の社会人が大学の仲間と集まって夜を惜しむ。
ガリアーノ

効きすぎたクーラーを言い訳に
寄り添って体温を奪いにいった
右腕のあつさに少しだけたじろぐ
武骨な関節とまるい指先を包む
ねむりたかった
あたたかくたのもしくねむりたかった
でも武骨な指先は留まることを知らずに
わたしの太ももや腰を撫でる
そうじゃないのに、そういうわけだけじゃないのに
だからと言って拒むことも思いつかずされるがままになる
どちらにだって転ぶことはできる
この両手にかかっている
やっぱり寒さに勝てないと思ったのは左手で
そっとあたたかな肋骨にてのひらを添える
うすい皮膚の向こうの熱を奪おうと意識する
そしたらきみの右腕が動いて
わたしの左肘を撫でてしまったから
わたしもあとには引けない気持ちになって
きみのおなかや胸や首筋にやわやわと指を這わせる
どこもかしこもほんとうにあたたかいと思う
不意にきみがもらす熱い息に掻きたてられて
つい指先を走らせてしまう
そんなつもりではなかったけれど、そんなつもりな気になりながら
きみの体がびくんと跳ねるように追い詰める
この先にあるものはなんなのかな
ここから何がどうなるのかな
きみの体が跳ねて落ち着くのを待ちながら思う
きみのしろいかたい肌の湿りを確かめる
次に会うときもきっと拒めないだろう
どうして今こうなったのかな
いくらでも時間はあったのに
距離や時間に育てられるものなんて知ったことじゃないけど
きみとねむるのは心地いい
それだけが、わたしのほんとう。



自由詩 半年目の社会人が大学の仲間と集まって夜を惜しむ。 Copyright ガリアーノ 2011-09-04 19:53:12
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