上流
……とある蛙

川の流れは清冽
岩に激突した飛沫の中
一服の涼を見るが

飛翔する山鳥
容姿は狡猾で
空腹を満たそうと
水中の魚群を窺う

山猫もまた、
山鳥を捕獲しようと
首擡(もた)げ見上げる
しかし樹々は鬱蒼として
山猫の視界を邪魔する。

人もまた山深く分け入り
何ものかと遭遇しようとするが
何もない。
あるものは激流のみで、
山の獣すら彼を忌避して隠れる

弱肉強食
食物連鎖
それを無視する
悪食乞食(こつじき)


自由詩 上流 Copyright ……とある蛙 2011-06-11 13:47:25
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