明け方の空
蒼木りん

薄紫は
桃色になる前の
儚い空の色
とてもいいものを見た気がする

明け方の空に
細い
爪の先のような月が光っていた

すぐ傍に
負けない光の星がよりそって
心中するよう


また
季節が廻ったんだ

知ってから
これで
何度目だろう

冬だ
夏も秋も
もう終わったんだ

空を見上げるのは
何か
切ないものがこみあげるとき


あの月星は誰ですか
とても
貴方と私には思えない

それが
悪い癖なんですね


貴方のようにはなれないと
離れたことは
私の強さで
弱さで
今も胸を刺すけれど

少し
その痛みに酔いたくなる

ひとりきり
こんな淡い色の空を見上げていると
鼓動のごとに
痛い





未詩・独白 明け方の空 Copyright 蒼木りん 2004-11-10 23:09:18
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