風景
蒼木りん

畑のまん中に
猫が座っていた
「おまえなにやってんだ」と
声をかけたら
聞こえないふりをした

じっと見ていたら
しっぽがピンとなって
顔がまじめだった
「おまえなにやってんだ」と
また声をかけたら

「青便してんだから話しかけんじゃね」と
ぶつぶつ言って
畑を耕していた

それはむかし
今日のように
いい天気の日だった

わたしは
猫になりたい





自由詩 風景 Copyright 蒼木りん 2010-11-05 12:00:17
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