もう夫婦同然なのに
西日 茜

私たちの子供は全部で46人もいます。
彼の子供が23人で私の子供も23人。
今日私の子供の一人がとても落ち着きが無くて廊下に出しておきました。
私たちのお部屋のピシッとした雰囲気を壊すのでしかたがないのです。
そのとき隣の部屋から彼が入ってきてこの子もらっていきますといいました。
私たちはどうぞと言い、やっと静かになりました。
その後は夏休みに作った宝物の披露で盛り上がりました。
しばらくして、あの子を返しに来た彼は言いました。
この子はこれからよい子になると約束したからみんな許してやってくれと言いました。
私たちはどうぞと元気なく答えました。
彼はあとで私に言いました。
さっきは余計なことをしてしまってすみません、と。
いいえ、いつでも連れて行ってかまいませんと答えたら、ずいぶんとAWAYなんですねと笑いました。
彼はあの子と私の関係を心配しています。
あの子は私が大好きで、それは見ていてよく分かるからと、私があの子を拒否しないように見守っているのです。
疲れている私のこともよく分かってくれています。
男と女は協力してこんなふうに人の子を自分の子のようにかわいがり慈しみ合うことができるのですね。
私たちはもしかしたら本当に愛し合っているのかもしれないです。
契約の契りを結んだ夫婦になることはないけど、本当の愛の意味を伝えることができるような気がしています。


自由詩 もう夫婦同然なのに Copyright 西日 茜 2010-09-02 23:03:20
notebook Home 戻る  過去 未来