さよならの準備
西日 茜

出会った瞬間から「さよなら」の準備してた。
この夏ですっかりLOVE2モード高まって
あまりにも本気になりそうで怖いからです。
君の手足は長くスベスベでグッとくる。
笑うと白い歯が光って
君は青くて良いにおいがする。
いつも横目で見られている。
会議中は後ろから抱きしめられる。
仕事中にチュッてしたいって言う。
おっぱい触りたいって言う。
頭の中で私の首に唇を這わしている。

言葉で犯される毎日。
君は悪い人かもしれません。
でもどうして惹かれてしまうんだろう。
君が恋してる相手は
私じゃなくてLOVE+の○○ちゃんなんでしょ?
この前君にアップルパイを作ってあげたとき
とてもうれしそうだったけど
君が本当に食べたいのはアップルパイじゃなくて。

アップルパイじゃなくて
でもアップルパイはおいしいの?
おいしいの?
おいしいの?
おいしい。
お・い・し・い
おいしいよ。
おいしいよ。
わたしはおいしいよ。
きっとおいしいよ。
はやく
はやく
はやく
いっぱい
いっぱい
いっぱい
いっぱい食べさせてあげたいのに。


自由詩 さよならの準備 Copyright 西日 茜 2010-09-04 19:02:08縦
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