私たちがいちゃいちゃする理由
西日 茜

いつも後ろから私を睨んでいるおばさんへの当てつけで、パソコンのディスクトップはダースベーダにしました。
おばさんは、スーハーってすごい息づかいでみなさんを睨んでは、ランチで、あのコはこんなことをして常識ないねとか言って嗤っているそうです。
人の悪口はその人をどんどん陥れる悪魔の言葉です。私たちはそれが許せないだけです。
だから、君はおばさんが見ているのを知っててワザと私といちゃいちゃするんです。
でも、ちょっとまえのデートの時に、おばさんについて話し合ったよね。
おばさんは君の神経に障ることをたくさん言うもんだから、君もイライラしてて、ほかの人もイラッとくるんだって。
おばさんのいないところでおばさんのあだ名はダースベーダってことになっています。
君といると私は幼気な泣き虫ちゃんになり、労ってほしいオーラがたくさん出てしまいます。でもそれは君が望むパターンだから。
いろいろ試して君が食いついた態度をとるようにしています。失敗だったらまた変えればいい。君とうまくやっていくための演技をしています。
私たちはきっと、後ろの席のおばちゃんたちがイラッとくるのがおもしろくて、いちゃいちゃしているんです。当てつけもいいところ!?
おばさんは自分もかまってほしいのでしょう?でもそれは素材的に無理。
私だって彼からすればおばさんの部類なのに、どうしてか、私とのエッチな連想ばかりしているものだから、ビジネスライクというより、いちゃいちゃの対象になっています。
おばちゃんたち、くやしいだろうなあと考えると可笑しくてたまりません。


自由詩 私たちがいちゃいちゃする理由 Copyright 西日 茜 2010-08-31 22:16:14
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