DEEPHITOFMORNINGSUN
本木はじめ

どっちを向いても砂浜だらけの砂
部屋が思い出砂漠しているのでゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
あなたが沼へ帰るというので
わたしは途方にくれる
あの森はあなたの兄を食べ
わたしの妹を食べた憎い森
帰って来ない三億年
わたしたち もはや人ではなく
影のような姿をした幽霊だ
あなたの顔もわからない
土地も急速に死んでゆく
あの森
あの森
あの森から帰ってこれたのはわたしたちだけ
あなたがなぜ沼へ帰るのかわからない
なぜならゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
落雷があなたを選ぶ
稲妻のようにしびれてる今夜
分かち合う水色の水またしても流れてゆくからゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
汚染されていない君の黒髪の花束
握りしめてゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
窓を開け放つ
君はもう、君は
リンゴジャムみたいな夕日を
貪るように食べていたからゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
幽霊が恐い君の為に
否定しようゴースト
真夜中の墓地にふたりきり
沈んだ夕日は心にあるか
くらい獣道に座って
あやとりをしよう 見えない糸で
紡いでゆこう 底からはぢまる
朝の螺旋
明るいところで枯れてゆく花みたいなもんさゴースト バイ ゴースト バイ ゴースト
さよならは聞き飽きたよ


自由詩 DEEPHITOFMORNINGSUN Copyright 本木はじめ 2004-10-15 20:17:52
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