閃光
本木はじめ

玄関の扉を開く真白いてのひら
その直前に十月の金木犀の香りに包まれて
ふと立ち止まるあなた
かなしみの胎動を青空に聴くことができる巨大なこすもすが咲いている森で
倒れゆく木々
その生前のざわめきの中
あなたの祖父が手に取ったビー玉が転がりながら閉じ込めてゆく光景が
今、あなたのどこかで割れたのでしょう











自由詩 閃光 Copyright 本木はじめ 2004-10-10 20:49:34
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