シドに捧ぐ
nonya
<天の支配>
天邪鬼が見落とした
のぞき穴の向こう側で
支離滅裂に見えるように
配置された狂気
<まちるだ ・ まざあ>
巻毛の彼女の
乳房の黒子を
ルーペで焦がしたいと
大脳皮質は身悶えした
・
真昼の星座の
座標軸から滑り落ちた
あどけない劣情
<星空のドライブ>
星の数ほどある
空騒ぎの街で
のっぺりした味が自慢の
ドーナツ屋が流行っているらしいから
ラジカルな宇宙船で買いに行こう
イレギュラーな恋人気取りの
ブリリアントな君を連れて
<すけあくろう>
煤けた空の彼方を
健気な節穴で眺めている
飽きることなんてないよ
朽ち果てるものの中にも
朗々と響き渡る
歌が流れているから
<ばいく>
薔薇薔薇に飛散していく自己を
急いで拾い集めようとして
暗闇の中を疾走していた
自由詩
シドに捧ぐ
Copyright
nonya
2010-05-08 08:37:10