わかることわからないこと(2)
クローバー

わかったことの一つは、わからない、ということだ。
そんな気持ちはわからない。
わからないままにしておいてはいけないと、ずいぶん悩んだものだが
今は開き直っている。
わからないまま、そんな考えもあっていい、と思うようにしている。
相手にとって正しいことが僕にとって正しくないのも、仕方ない。

○X問題。
1 地球は、球体である。(   )
2 地球温暖化による海面の上昇は、氷が溶けたからである。 (   )

僕が、これ、小学生の頃、理科(だったと思う)のテストで問題に出たものです。
悔しかったので、いまでも覚えています。
正解は、どちらも、正確に言えば正しくない。
1、自転の遠心力もあり、実は南北で輪切りにすると楕円になる。正確には球ではない。
が、正解。で、X、を僕は書いた。
2、気温が上がり水が膨張することによって、海面の上昇が起きているのであって(少なくとも)氷が溶けたことが、メインの理由ではない。
が正解。これも、僕は、Xで書いた。

で、どうだろうか?
知っていた人は答えられただろうし
知らない人はそんなバカな、と思ったのではないだろうか。
そして、知らない先生は、両方とも、正解は○、とした。
僕は、知っていたので、訴えたが、子供の言うことである、そんな空想、事実なわけがない、と思われたのだろう。訴えは通らなかった。
勉強を教える先生ですら、そうなのだ。
教えている、先生ですら、思い込みであることを他人の意見では覆せない。
まぁ、相手が自分の教え子で、自分より物を知らないはずの、小学生だから仕方がないのかもしれない。
一般的な意見で、正しい、とされる事柄を、まったく疑わない。というのは、ちょっと悲しいし
そういう意見を聞いて、考えてみることをしない、というのは、もったいない。

僕は、これらのことがあって、ますます
わかりあえる、ということは、幻想でしかないし、
わかりあうという幻想をお互いに抱いている
ということがわかりあえている、という状態なのだと思っていった。(今も思っている)

なんでこの人、わかってくれないんだろう?
なんて思いながら、言葉をやりとりするくらいなら
なんで僕は、わからないんだろう?
と、考えた方がよい、と思う。自分のためになる。
わからないままでも良い、けど、わからない考え方の人は確かにいて
その、考え方にも、その人が信じるに足る、理由が存在するのだから。


散文(批評随筆小説等) わかることわからないこと(2) Copyright クローバー 2010-04-13 00:03:55
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