思い出話
はらだよしひろ

きっと、この言葉は追憶なのだろう

わだかまって ほぐれて
通り過ぎていく時刻の切れ端に
そっと喜びを置いてみる

滞った唇たちは
波打つ水面さえ忘れて
限りの中で生きる証を
吐き出しては留める

・・・何かに晒されながら

遠くなった志は
一体何のためにあったのか

そう
私はとても眠い

胸のあたりが痒いのを我慢して
鼓動は乱れたまま溶けていく

お前は何のためにあったのか

積もったものが歩みを止める

わたしは晒されながら


自由詩 思い出話 Copyright はらだよしひろ 2010-04-12 14:39:58
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