交錯詩「窓」奥主 榮  萌木 碧水
鵜飼千代子

               奇数行:萌木 碧水
               偶数行:奥主 榮

  まくらな部屋にひきこもり
   ふらりと 舞い降りる
  窓辺でふうと頬杖ついて
   外からの ひかり さんざめく
  きりとられた外界の
   いくつもの かけらとなって
  木々の萌ゆるまぶしさに 胸こがれる
   へやが くらかったのではない

  薫風がするりとわたしをかこみ
   あかるさを 忘れていただけだ
  両の腕をとり でておいで
   はばたきの音が ひとしきり

  こわいのよ 広い世界は
   ゆうだちのけはいも ひとしきり
  わたしはよろいをもってない 
   舞い降りた鳥の羽音にも似て

  木々の香のすがしさをまとい
   みみもとを くすぐり
  今日は外に出てみよう
   きりとられた空を くっきり浮かばせる

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               奇数行:奥主 榮
               偶数行:萌木 碧水

  ふらりと 舞い降りる
   まくらな部屋にひきこもり
  外からの ひかり さんざめく
   窓辺でふうと頬杖ついて
  いくつもの かけらとなって
   きりとられた外界の
  へやが くらかったのではない
   木々の萌ゆるまぶしさに 胸こがれる

  あかるさを 忘れていただけだ
   薫風がするりとわたしをかこみ
  はばたきの音が ひとしきり
   両の腕をとり でておいで

  ゆうだちのけはいも ひとしきり
   こわいのよ 広い世界は
  舞い降りた鳥の羽音にも似て
   わたしはよろいをもってない 

  みみもとを くすぐり
   木々の香のすがしさをまとい
  きりとられた空を くっきり浮かばせる
   今日は外に出てみよう

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                    1997年 5月 31日 奥主 榮


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自由詩 交錯詩「窓」奥主 榮  萌木 碧水 Copyright 鵜飼千代子 2010-01-31 18:30:05
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