眠ることのない恋の街のなかで
りゅうのあくび

すくらんぶる交差点の信号機は
恋をする瞳の奥みたいに
ふと止まるときがある
いつか愛の記憶を出発する
終電を逃して
おしゃべりをしながら
取り残された恋人たちは
再びくちづけをする

何かの真実みたいな嘘が
眠ることもない街には
時には欲望の影として
現れてはすぐに
びるでぃんぐに吸い込まれていく
人々の靴音は
明るい夜空の下で
乾いては水分をほしがりながら

真昼の太陽が
青空につるされた
電球みたいに
すっかりと消えた跡がある
まなざしの前にある小さな秋に
強く明滅していた
ねおんさいんに
極北に住む人々でも
この街の遠くからも耀く夜空を
白夜のひかりと
間違えるかもしれない


自由詩 眠ることのない恋の街のなかで Copyright りゅうのあくび 2009-10-15 21:08:06
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