会うたび君は
不味そうな飴を一つ
僕に投げて寄越す

エレベータの中で
僕らの手は
そっと重なる

そして君の表情はいつだって
無しのつぶて


だけど、
焦らし合うマインドゲームの奥
強がって探り合う
二重の螺旋階段の果ては
来たこともない
遠浅の渚

過去完了時制の無人駅に
ひたひたと潮は満ち満ち
仮面舞踏会（マスカレード）のペルソナが
はがれ落ちるのも気にせずに
鉄路の響きを聴いていた


やがて迷路の出口で
寝たふりをしてた君
僕は仕方なく（だけど心から！）
目覚めの口づけをする


ばかだね