消えてしまうからあなたに訊きたい
あぐり

視力が0の後に小数点、また0
もう検査もしてもらえないぐらいの不良品ですので
眠る前(消灯)、
手を空中へ伸ばしてみたらもうなんにもなぁんにも見えなかった

ゆ、指がないよ
手首も/白い何か
凡庸な棒がただ
一本伸びている

ひょーげんはわたしこの白い棒でしてきたわけであるからして
見えなくなった>なくなったなくなったなくなってしまった、ら、ら
わたしはもうなんにもできずまなこを動かすだけの物体であるのです。
(かんにん)
消えた白い線が
浮かんでくる気がする。

はたちになんかなりたくない
じゅうくの
にんげん
いきつづけてきたからだですら
あかりをけせば

なくなっちゃうくせに
くせ、に

消えた右手
どこいった?
先に大人になっちゃった?
二十歳を迎えて尚
生きている他人にすがりたい
ねぇ
もういやだよやだよ
このままがいい
生き続けた体を
ようやく愛せるようになったんだよ
ずぅっと、(ああいっそきえてさ)
見えない明日なんか
わたし
大嫌い








自由詩 消えてしまうからあなたに訊きたい Copyright あぐり 2009-09-23 16:11:56
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