酔えもせず
あぐり

酒で意識が蕩けていく瞬間
わたしが何を想うかは知らない(誰も知らない)
男友達の顎の下の陰であったり
女友達の腕の白さであったり
簡単には片付かない酔うままの気分で
わたしはよるをはかりもしないようにすごすのでせいいっぱいだよ

可哀想に
きみはどこにもいけないきりんにあこがれているので
わたしはピンクのりぼんを贈ることで頭が一杯になるのです
きみの好きなセブンスター
略して呼べない幼児性を愛してほしいの
ほしいの


からかわないで
わたしはきみを想うことで溢れてしまっているから
からかわないで
流れ落ちる涙なんて固有名詞がないのです、いつだって
きみのキスは下手くそだね
相変わらず愛しさだけが先走ってる
せいじつな吐息を
吐息をくださ い ください
吐いたら吐きっぱなしなんて嫌よ
全部還元させて
からっぽなきみが好き






自由詩 酔えもせず Copyright あぐり 2009-09-17 22:31:38
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