きみはなんにもしらない
あぐり

帰ります。
否、もう今すぐに。

もどれないなんていうんだったらぼくはすぐにかえってみせるさ/とんで/いますぐに

きみのやさしさは静か過ぎるので
わざと大きな音で噛み砕いてやった錠剤の色は白
そこはかとなく香りを漂わせていますきみの瞳は淡い

(煙草
 かかと
  赤いペディキュア)

ちゃんと感謝して生きてよおかあさんに、さ。
お願いぼく以上にきみのおかあさんを好きでいてよ

ぼくはぼくで
おとうさんに何も言えないぼくです
ぼくのきみをおとうさんはあんまり気に入っていないというか全く意識もしていないもんだから
だからきみが今日は泊まりますっておとうさんに報告するぼくは後ろめたいの
そんなこともわからないくせに、、、知ろうともしてないくせに、あっちいけよ、もう。
(いやだ帰っちゃいやだよおねがい)

向かい合わせの蒲団から出した指を絡ませているきみとぼくは美しい
美しい美しい綺麗だよ
夜はいつも秘密ばかり塗りたくられているんだから
ああああああありがと
きーみーがきみがきみが
すき
ぼくに彼氏がいたってきみが
すきだ


(ぼくが女の子じゃなくなった朝を
きみは知らないだろ?)






自由詩 きみはなんにもしらない Copyright あぐり 2009-09-13 13:41:29
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