眠る為の色はなにいろだろうか
あぐり

わたしの持つ薬はどれも白いから
毎晩飲む度にわたしは呆けていく
(わたしがその日あかくてもみどりでも幸福なきいろでも)
あまり仲がよろしくない為に
ねむりを思い出すのに2、3時間を要してしまうから
ごろ ご ろ どったん ごろごろ ばったん
波のように呆けながら夜をかき回す
(今日もシーツが台無しね)
目をおおうはずの暗闇すら白けていく

頭をさささささささささ刺す音が/刺してく音が/刺し続ける音が
鳴り止まない鳴り止まない夢を脅かして
真っ白に
まっしろに
わたしは今日を一分の隙もなく起きていなければならないのだと信じる

明けていく失望やひらけていく絶望を見る度に
何を期待してたの、わたしって
とりもどしていく手の感触はいつだってぬめる鱗です
かえらない かえらない おなかのうえのやらかさは
わたしを
真っ白に
まっしろに/するにはにごりすぎていたから
あぁ 今夜の時計はせっかちだと笑って
多すぎて困っている薬箱からわたしの一番嫌いな銀色の包みをやぶりすてる
でも、でもそれだって
まっしろな姿をしていて
わたしがわたしがわわわわたしが呆けていくまた呆けていく
のです
最近わたしは
呼吸をする為に水を飲んでいるよって笑って、わらって
いつか透明になれる日を待ちながら泣いて、ないて
わたしは今日だって一分の隙もなく起きていなければならないのだと信じている。


自由詩 眠る為の色はなにいろだろうか Copyright あぐり 2009-09-09 22:17:10
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