夏・反応
塔野夏子

揮発する夏の底で
胸が かなしみに沁みてゆく
青と白と銀の空
見あげても見あげても
まばゆさは
かなしみの純度を高めるばかり

向日葵のあざやかさが目を
降りしきる蝉の声が耳を
きりもなく浸してゆくほどに
かなしみはいよいよ極まり
夏はただ
とめどなく揮発するばかり






自由詩 夏・反応 Copyright 塔野夏子 2009-08-01 11:33:30
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