深呼吸。
狠志

外の空気は不味かった。

どうしてこんなもんを吸ってるのか、と。

僕は息を止めた。

生ぬるい風が、全身を包む。

空気が、僕の中に入りたがってた。

何か負けたくなくて。我慢した。

ううん。我慢出来なかった。

吸い込んだか、入り込んだ空気はやっぱり、不味かった。

吐き出すように咳き込んだけど、また呼吸をした。

僕はもう、帰れない。帰らない。

どうせまた、外に出るのだから。




自由詩 深呼吸。 Copyright 狠志 2009-07-07 22:16:06
notebook Home 戻る  過去 未来