オニキス
A道化






始まったばかりの夏
の土の中、まだ摩擦の悦びを知らぬ柔かなお体の、蝉の
けれど夏の終わりにはカサリ摩擦死するお体のそのお顔の
死んで乾いた真っ黒い眼球をもう浮かべてしまってわたし
ふと、うすい耳たぶを触ってクスリと笑いました


夏のうちに
ここが柔らかいうちに、ここに 
わたしはオニキスのピアスを刺されたく思ったのです


2009.7.6.


自由詩 オニキス Copyright A道化 2009-07-06 05:57:40
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