果樹園
A道化


夜の電車の窓の中の無数の顔色から、ぶらり、色がくだり
腸まで青ざめたわたしたちはひとりでに、ぶらり、垂れるけれど
さびしくないよ。
うまれたままのやわらかさを患い続ける腕と胴体の林の中
夏のわたしたちはいつも、ぶら、ぶら、と
いつどこで誰と別れたのかが、ちゃんと、曖昧なのだから



2009.7.26


自由詩 果樹園 Copyright A道化 2009-07-26 02:05:06
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