馬とは
kawa

あれは馬だよ
あの、大きな生きものは
教科書にあったとおりだ
はやく駆けるそうだ


背中には、古い古い文字があって
誰も読めないのだけど
そこを撫でると
ぶふふう
と鳴くそうだ
馬とはそういうものなのだ


そうしたら、辺りの人たちは
よくやった、よくやった、と手を叩いて馬をほめ
遥か高くへ続く階段をこさえるのだ
それを馬は
かっぽかっぽとのぼり
幼いものに好かれながら
ウ゛ァイオリンみたいなおしりをふって
去るのだ


去ってしまえば
もちろん元どおりなのだけれど
人は、青いクレヨンみたいにさみしくなったり
口笛をふいたりするそうだ
馬とはそういう生きものなのだ


自由詩 馬とは Copyright kawa 2009-05-31 22:44:27
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