ひとり
チアーヌ

ある日の夕方
わたしはひとりになりました
花に水をやっていたら
いつのまにか
みんないなくなっていました
わたしは
声を出してみました
その声は音になりました
どこかで鳥が鳴きました
もうおしゃべりはできません
言葉はわたしの内側で
いつのまにか溶けてしまいました
それからわたしはいろんなところを歩きました
そして探しまわりました
人気のない小屋の戸を開けたり
巨大なゴミ箱の蓋を開けたり
およそ人が隠れられそうなところなら
どんなところも探してみました
けれど
やはり誰もいませんでした
だから
わたしはその後ずっと
ひとりきりで幸せに暮らしました


自由詩 ひとり Copyright チアーヌ 2009-05-21 00:25:11
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