夢路に通え
佐々宝砂

おまえの夢の木造住宅に
俺の影は現れているだろうか

俺は夢のなかをさまよい
どこまでも飛べる幻想を享楽し
なにもかもおもうまま扱えるはずの
おそろしいほどの自由を手にしながら

おまえの住む木造住宅に手出しができない

なんと強固な箱根細工

るりらと俺はパズルを開始する
ゆえやと俺はパズルをときはじめる

時計はとまったままで
そう
時間なんかにたいした意味はない
そんなもの空間と差し替えに出来るのだ

おまえに手が届かない
どうしても届かない

愛じゃない
恋でもない
友情でもない
好奇心ですらない

ただ俺はおまえにさわりたいのだ

幾重にもかさなり
夢の奥
かすみながらも存在をあくまでも主張する
おまえがなにものであろうとも

俺はおまえにさわりたいのだ

愛ではなく
恋ではなく
好奇心ですらなく

それでも俺は
おまえを


自由詩 夢路に通え Copyright 佐々宝砂 2009-04-18 04:09:55
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