春夏秋冬春夏秋冬春
nonya


唇は
春だった

柔らかくて
惨たらしかった

前髪は
夏だった

煩わしくて
あてどなかった

耳たぶは
秋だった

満ち足りて
素っ気なかった

鎖骨は
冬だった

優しすぎて
嘘だった

今年もまた
君が巡り
僕は葉桜になる

見上げるほど
空は高くなるから
僕はうつむいたまま
光合成する

ふいに風が吹いても
てらてらと
そよぐしかない



自由詩 春夏秋冬春夏秋冬春 Copyright nonya 2009-04-06 20:20:28
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