冬木立
亜樹

柿の実が落ちる落ちる冬枯れの山に残った熟れすぎた恋

待ちぼうけ木守りの柚子二つ三つ密やかな灯り雪を待ちける

裏地縫ううらみつらみの針の先咲かせ咲かせ真っ赤な椿

道端の水溜りの水色あざ笑いカササギは一羽振り向きもせず

いやだって言い訳するなと言われてもほらご覧吐く息は白い

哀しいときに哀しいと言う薄氷の上飛ぶ蝶がもつほどの勇気

しんしんとあまりに静かに雪は降るので許されたよな気になる夜更け


短歌 冬木立 Copyright 亜樹 2009-01-10 21:53:54
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