甘えた声で不満げで
kauzak

後で降りてくるよと
サザンの曲を元ネタにした
ショートドラマのオムニバスを
見ている妻に声をかけて階上に登り
詩の投稿サイトとかをチェックしていたら

カチャリ

部屋のドアが開いて

ヒュワ
だか
アヒャ
とだけ声を残して

ドアが閉じる

その声は確かに妻のもので
不意を突かれて
変な擬音が耳に入ってきたものだから
居心地が悪くなって階下へ降りる

さっきの擬音のことを尋ねると

トイレに行ってすぐに降りてくるものだと
思っていたのになかなか降りてこないから
トイレで倒れてやしないかと見に行ったら
トイレには居なくて何処にいるのかなぁと
部屋を見たらコンピューターに向かってて
「ありゃ」と思ったのが声にも出ちゃった

と少し不満げな声で言う
姿が急に
愛おしく思えたりする


自由詩 甘えた声で不満げで Copyright kauzak 2008-11-29 23:18:15
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