夏の深夜、午前2時、
佐々宝砂

この時刻にこれほど眠いの
悪くない話だと思うよ
さっきメラトニンたくさんナイトミルクnemuを飲んだから
それで眠いのかもしれないけど
睡眠薬は飲んでない 飲んでないんだ

肩凝りがずいぶんひどくて腕まで痺れて
その原因が15年も前の追突事故らしいってんで
今日は精神科と整形外科をハシゴして
整形外科のほうで首吊ってきた
あ 念のためいっとくけど首の牽引をしただけだからね
まさかつまんない誤解はしないと思うけどさ

体重はがた落ちしてて実は生理も止まったっぽいけど
それはまあ単なる夏ばてだから
食欲の秋がきたらきっと太るよ うん 太る

もうすこーし太りたいなあ
健康になりたいなあ
ふつうになりたいなあ
っていうか私ふつうだよなあ
常識人だよなあ
わけのわかんない予言夢なんかみたくないし
しばらく詩なんか書きたくないし
戦争だのテロだののニュースもいまは見たくない

8月に入ったから
庭ではコオロギが鳴き始めているよ
蛙も鳴いてる
週末になったら
隣の田んぼはもう稲刈りをやるらしい
ほーら季節はちゃんと動いているよ
いくら異常気象でもさ

そんなわけでそろそろ眠るけど
まだ言ってなかったね
あなたに頼るのは
そろそろやめるよ


自由詩 夏の深夜、午前2時、 Copyright 佐々宝砂 2004-08-05 03:51:26
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