黄昏のおわりの瞬きに
青色銀河団
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黄昏のおわりの瞬きに、大いなる怒りにみちた光の星雲
が交差しあう天蓋にむかい、傷ついた男たちが大声で叫
びあう。その声に応じて晴れてゆく天空には、たえず
うつくしくしみわたる遠い霧のような火花が沈黙ととも
に琥珀色の彼方へ消えていった。
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すべてはかぜのしわざ?
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真赤な少女たちが風のように駆けよってくる永遠の水滴
に縁取られた紅い花のその名を知っているか。深い鏡を
覗き込むとき傷つくほどに深いあおぞらにかかる金色の
虹のその名を知っているか。若き日に朝の世界にとって
かわり世界に満ちてゆく闇のその名を知っているか。
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それはうまれるまえからしってること?
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ふるえる幻影の朝のなか、透きとおった身体をもつ妻が
うたう舟歌のつくりだす樹木や森や山ほどの喜びの存在
意味をおまえはもっているか。砂に埋もれたまま朽ちて
ゆく蝉のぬけがらほどの鈍色の星の意味をあなたはもっ
ているか。
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ねえさばくにいみはあるの?
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新しいせかいにおいて地上の氷の割れる音のすぐちかく
に痩せたことばのつぼみがあり、それらはてのひらの熱
で溶けるに従いことばは水晶のうたのように蒸気化し朝
のひかりにふるえるちいさな時間にかわった。
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きみもことばがつくるまぼろし?
自由詩
黄昏のおわりの瞬きに
Copyright
青色銀河団
2008-09-15 18:43:39
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