朧月夜
亜樹

遠く遥かな
おぼろ月
春の夜半なら
届くのか


一人で歩く
かえり道
ついてくるのは
おまえだけ
夜とおんなじ色の猫


うすぼんやりと
おぼろ月
猫とおんなじ
色の影
提灯の灯は
点々と
あとはうっすら
月の陰


いたずら心で
引っ張った
猫のおっぽは
逃げてって
後はうっすら
花の色
三日月みたいな
傷ひとつ


うすぼんやりと
おぼろ月
ついてくるのは
おまえだけ
春の夜半でも
まだ遠い


自由詩 朧月夜 Copyright 亜樹 2008-08-25 12:33:59
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