ガリレオ
亜樹

地球を覆う硝子膜が
破れると叫ぶ男がいて
そんな日はきっと
晴れだったに違いない
開いた向日葵の
まぶしいほどのイエロー
世界は今日も
腹立つほどに美しい

体の端が
セーターみたいにほどける女がいて
そんな日もきっと
晴れだったに違いない
棺の中には
花を敷き詰めて
余計なものは見ないようにしよう
彼女はきっと微笑っている



ほんとうのことなんてしらないんだ
それはおとうさんのにっきちょうにかいてある
ほんとうのことなんてしらないんだ
だけどもみんないきているから



明日にはきっと
 (硝子膜が割れる)
 (ホッキョクグマが流される)
 (真っ赤な蝶が羽化する)
 (爪先からほどけてく)
 (編み棒がみつからない)
 (お気に入りの靴が片方逃げ出す)

それでもきっと晴れなので
それでも多分晴れなので!

なんにも心配要らないまんま
ベットに入って目を瞑れ
なんにも心配要らないまんま



自由詩 ガリレオ Copyright 亜樹 2008-06-25 00:54:23
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