1486 106

泡沫のような時代の中で
大切なものを一つ見つけました

移ろいゆく景色の中で
いつしかガラクタに変わっていました


その輝きを
誰もが追い掛けて
誰もが掴みかけて
大事なところで見失っては
何度も同じ涙を流す


仮初めの恋をいくつも経験し
離さないよう強く抱き締めました

やがて微睡みから目が覚めて
現実の虚しさを知りました


その響きに
誰もが酔い痴れ
誰もが溺れて
やがて夢から覚める頃には
夢見たことさえ忘れてしまう


黄昏のような顔付きで
行き交う人達は流れていきます

まほろばを探し求めて
どこへも行けずに彷徨うばかり


夢が無いことに悩み苦しみ
夢を探そうと必死になる
夢を見る理由も分からぬまま
夢に押し潰されてゆく


語るためのものではなく
見せびらかすためのものではなく
貴方の本当の夢は何ですか?


その言葉は
時に悲しく
時に残酷で
その魅力に惑わされては
何度も同じ涙を流す

そしてまた人は夢を見る


自由詩Copyright 1486 106 2008-06-07 21:17:16
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