Bitter days
1486 106

アルバム一枚聴き終わるほどの時間を
通勤のために毎朝費やしている
青になっても進まない渋滞に
眠気とイライラが化学反応起こしている

社会人として駆け出しだった頃は
携帯電話片手に運転していた
警察に捕まってから使っていない
悪い事だと反省したわけじゃない


煙草の味を覚えた頃から
大人というものを意識しだした
北校舎の屋上に寝転んで
煙色した空を見上げていた

あれから数年後髭の伸びた僕は
自分の汚れを気にしなくなっていた
ヤニ臭い体でパチンコに打ち込み
一発逆転のゲームに賭けていた


仕事場で山積みの書類を整理しながら
このままでいいのか考え込むことがある
引き出しの夢は色褪せていないのに
思い出さないよう鍵を掛けたまま

自分より若いアイドルが活躍しているのを見ると
それなりに焦るけど腰は重たいまま
テレビ相手に愚痴る自分が情けない
老化の二文字をひしひしと感じている


実家で暮らした方が楽かな
窒息しそうな毎日に零れ落ちる弱音
残り物の唐揚げを温めても
満たされない飢えと寂しさ

そして何も手につかないまま
疲れた体をベッドに投げ捨てる
明日になれば同じことの繰り返し
未来なんてテレビ中の砂嵐のよう


Bitter days go on.
人生の味なんてこんなもんさ
悟ったフリして吐き捨ててみても
諦めのつかない子どものまま


自由詩 Bitter days Copyright 1486 106 2008-05-13 00:21:22
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